その他の注意点

賃料の表示、入居年数と契約年数、収支について、を説明してきました。

ここで述べてきた多くのことは、「レントロール記載の事実には売手のより物件価格を高くしたい」というバイアスがかかっているものとした上で、注意すべき点、相手の提示する情報にはどのような操作が加えられている可能性があるか、というリスクへの対処として想定したものです。

これらを読んでいると、まるで売主側のオーナーや不動産会社が不誠実で印象操作を行う存在かのように思えてしまうかもしれません。しかし不動産投資はもちろんビジネスなのですから、売主側はそれとして、遵法しながらできる限り利益を上げようと努力している限りでのことです(ごく一部の、法の遵守を自らに課さない悪徳な売主を除きます)。

例えばあなたが物件を購入し、デイトレーダーのように即日売りに出す、もしくは一定期間所持して収入を得た後で、売却を決めたとします。買主として入手した物件の、売主へと関係を変じることになるのです。あなたはどのように努力するでしょうか。売却を決めてから、では物件価値を高めよう、と言って工事を始めたり設備を見直すことは考えにくいのではないでしょうか。それよりも、広告の出し方や契約の進め方を工夫し、あるいはそのような専門業者に委託することでしょう。

そこではあなたもまた、遵法しながらも、できる限り魅力的で良い物件だと買主の目に映るように、これまで述べてきた操作を行うかどうかという立場となります。

ビジネスの定石として、これらは一般的な方法です。「私は正直で誠実でいたい、印象操作などしたくない」というのは、誰しもがそうでしょう。しかしこれは、人格の問題ではなく、投資業界で常識的に振る舞うかどうかのポイントと言えるのではないでしょうか?

買主から所有者へ、そして売主となるという通常のプロセスを考えて、買いのためのリサーチやレントロールの読解が、売りに出すときにきっと役立つことと思います。

 

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