個人・法人の差異

個人・法人の差異について、さらにみてみましょう。

事業用の部屋については、法人の場合は実店舗などとして、収益の生まれる場所となります(もちろん法人が従業員の住居としてまとめて借り上げることもあります)。この場合、家賃の捉え方が個人と異なってきます。個人にとって賃料はそのまま返ってくることのない支出となりますが、法人の場合、それはリターンを生じさせるための必要コストとなりますので、賃料は高いが立地が非常に良いので、リターンがかなり大きく見込まれる、そのような場合、営利的な目線で天秤にかけ、合理的であれば契約に乗り出すと思われます。そうして時間と労力を支払って入居した物件ですから、法人は比較的入居期間が長くなるようです。ただし、営利目的ですので、馴染んでいるから、好きな土地だから、といった主観で居座ることはありません。負債を増やし続ける物件からは、一刻も早く退去するように動くでしょう。

逆に、事業用物件としての価値を持っている部屋に関しては、周辺地域に存在する居住用物件の相場より高額な家賃を期待できるかもしれません。

さらに、法人の居住用に契約されている場合、良い点があります。まず、法人契約の場合、賃料の滞納ということが起きにくい傾向にあります。さらに、家賃補助を企業側が行なっている確率も高く、その場合、実際の契約者は比較的、金銭的な負担についてシビアではない可能性があります。どちらかというと、建物の持つ特性や使い勝手などの方に比重を置いて、検討することが多いと言えるかもしれません。

法人が、社員寮として一括借り上げ(サブリース)している場合が、先述したような、一斉退去に結びつきやすい契約の特徴としてあげられますので、法人名義の契約であり、それが事業用なのか住居なのか、住居ならば個人単位なのかサブリーズなのか、という複数のチェック項目を認識しておくと良いでしょう。